
伝統的で
クリエイティブな盆踊り
踊り子自身が唄を出し合い、それに合わせて踊る「盆踊りの原型」とも言われる踊りがあります。
それは、岐阜県郡上市に伝わる「白鳥の拝殿踊り」。
音源はCDでもデータでもなく、踊り子の唄と手拍子、下駄の音。
唄を出す踊り子(音頭取り)は好きな文句を唄う以外に、参加を歓迎したり、前の音頭取りが出した文句に答えたりと即興的なやりとりがあって、ついつい唄の内容に聞き入ってしまいます。
さらには、歌舞伎や浄瑠璃に出てくるような物語を、カンペも見ずに唄い上げる「口説き」もあったり、知れば知るほど奥深い世界が広がっています。

唄をたのしむ
唄であそぶ
うたのわ会では、白鳥の拝殿踊りのほか、岐阜県で今なお継承されている「みんなが唄を出し合う盆踊り」を中心に、唄と踊りを気軽に楽しもうと活動しています。
でも、唄うのってなんだか難しそう、人前で唄うのは恥ずかしい、民謡歌手みたいな声の出し方できなきゃダメでしょ?…などいろいろ気になりますよね。
大丈夫です!!
唄の上手下手は関係なく、楽しむことを第一にやっています。
慣れない方には、まわりも一緒に唄って唄いやすくなるようフォロー。
現地の音源に習って節に慣れ、テキストで節や唄の文句の理解を深め、何回か唄を出していくと徐々に唄えるようになってきます。
一般的な盆踊りは聴いて踊るスタイルですが、盆踊りの唄をすこし口に出してみるだけで盆踊りのイメージがガラリと変わるはず。
踊り唄は、上手に唄う以外にも、前の人の文句と関係があるこの唄を出しちゃおう、こんなおもしろいことを唄ってやろう、といったことを考える楽しみ方もあるんです。
なにより、声に出して唄ってみること、みんなで声を合わせて唄うことがとても楽しいので、すこしでも気になったらぜひ参加してみてください!

舞台を知る
そして、気軽に唄を楽しみつつ、踊り唄の背景にある歴史や文化、現地で大切にされてきた想いにも注目して、理解を深められたらと考えています。
そうすることで、一見短い唄の文句にもさまざまなストーリーが浮かんでくるからおもしろい。
気づけば、ふるさとにも似た思い入れのある場所ができていた…
そんな探訪欲やステキな交流が生まれる一助になれたらうれしいです。